明日は、判決ー横浜の女子高生いじめ自殺ー
明日は、1998年7月にいじめ自殺で亡くなった
小森香澄さんの民事裁判の判決が横浜地裁で言い渡されます。
香澄さんが受けていたいじめは、主に言葉によるいじめです。
裁判を起こした原告が、いじめがあった事実を裁判所に証拠を集めて提出しないと、たとえ子どもが亡くなってしまっても、裁判で「いじめがあった」ことを認めてもらえません。
「言葉」によるいじめは、証拠に残すことが難しく、いじめられた本人がひどく傷ついても、言った子に「そんなつもりはなかった」といわれてしまえば、いじめがあったと認められないことがほとんどです。
明らかに暴言を吐かなくても、周囲の人が聞いて何気ない言葉であっても、いじめられた子が傷つく言葉である場合があります。いじめが継続して行われている場合は、どんどん心の傷を深くしていきます。
香澄さんのご両親は、香澄さんが亡くなる前に学校に12回にわたり、香澄さんが元気がなくなりふさぎこんでいく様子を説明しに行ったにもかかわらず、香澄さんの自殺後は、詳しい話を聞いていない、相談を受けていない、いじめとは認識していないと言っています。
ご両親は、学校へ行った日時、話をした先生を記録にも書きとめていますが、先生方は会ったことも覚えていないという先生もいます。
このような状況の中で、香澄さんに「いじめがあった」ということを立証できなかった裁判の判決は、いままでの判例からみても、判決には厳しいものがあります。
いじめは見えないところで行われていることが多く、見えにくいものであること、言葉のいじめが子ども達の心を傷つけるものであることを、裁判所が認めてくれることに期待を持ちたいと思います。
香澄さんが亡くなる3日前に遺した言葉。
「やさしい心が一番大切だよ。この心を持っていない、あの子たちがかわいそう」
浜名小(旧浜北市)のプールの壁に、児童によって描かれた香澄さんの言葉
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