いじめの追跡調査ー調査の概要ー

vianca

2006年02月22日 23:13

「教育改革国際シンポジウムの報告」の続きです

国立教育政策研究所が1998年から2003年まで行った、「いじめの追跡調査」結果が公表されました。オーストラリア、韓国、カナダで行われた国際調査比較についての発表もありました。


調査の目的は、「いじめの定義づけ、類型化、メカニズムの解明、学校集団の構造や雰囲気の関係の明確化、児童生徒と教師のいじめに対する対応や考え方、実態と現状の把握」と「いじめを単なるいじめる子といじめられる子との関係だけから、いじめの生成要因を解明するだけではなく、いじめが生成され、展開するいじめの集団の構造を明確にする」となっています。


日本国内の調査対象は、首都圏に位置するある市の公立小中学校(小学校12校、中学校6校)の小学4年生から中学3年生の児童生徒(各学年の概数はそれぞれ800~100名程度)と学級担任に対して行われました。
文部科学省が行っている調査は、年度末に1回、学校の生徒指導担当などが教師が、調査表に記入していますが、この調査は、6月と11月に行われ、いじめ被害・加害の回答は、子ども達の回答したものです。

いじめ調査の項目「仲間はずれ・無視・陰口」「「からかう・悪口」「暴力を振るう」「金銭の強要(たかり)」と合わせて、近年のいじめの手口となっている「パソコン・電話(携帯)」の調査が行われています。

調査項目のうち、「暴力を振るう」を、「かるくぶつかる・叩く・蹴る」と「ひどくぶつかる・叩く・蹴る」と項目を分けてもうけ、問題行動で数の多い「器物破損」と「金銭の強要」をひとつの項目で調査しています。

調査で「いじめは、どこでも誰にも起きる可能性がある」ということと、「いじめは、被害者と加害者の問題だけではないこと」がわかりました。

詳しい結果報告は、次回に続きます。

☆おまけ☆
オーストラリア、韓国、カナダで、いじめ問題が深刻な問題とされたのは、1990年代の終わりから200年に入ってからだそうです。いじめ自殺が相次いで起きて、社会問題とされた経緯は、日本と同じです。韓国では、「いじめ」という適切な言葉が見つからず、当初は日本の「いじめ」という言葉を使っていたそうです。いまは、いじめを「ワンタ」と言っています。英語では「bullying」と表しています。

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