不登校調査結果
2006年度の文部科学省の学校基本調査で不登校児童・生徒数が、公表されました。
毎年のことですが、新聞の1面トップに大きく取り上げられています。
今回の調査から「いじめ」がきっかけの回答の選択肢に設けられたようです。いままでは、「友人関係・いじめ」が、ひとくくりになっていました。
全国的には、不登校5年ぶり増加、県内は3年連続増加、いじめで不登校になった児童生徒は、全国で4688人(全体の3.2%)、県内は公表されていません。
いじめが原因という調査結果については、はっきりと少ないと感じます。いじめ自殺で、問題になった調査結果と同様に、いじめが認められないと数に挙がらないという問題点は、未だに残っているでしょう。
文科省は「いじめ問題などで、無理に学校に行かなくてもいいという考えが広まっているのかもしれない」と、コメントしてますが、いかなくて良いなんて、簡単に不登校を選択して割り切れなるものではなく、不登校を選択するまでの、子ども達の心の葛藤、不登校になってからの親子の悩みや苦しみは、割り切れないから苦しいのであって、楽になるための選択はほとんどないと思います。
「不登校=怠慢」というイメージが強く、不登校への理解は、まだまだ乏しいと感じます。
静岡新聞の記事は、
不登校5年ぶり増 県内は3年連続 文科省調査
2007/08/10
2006年度に病気や経済的な理由以外で学校を年間30日以上欠席した「不登校」の小中学生は5年ぶりに増加に転じ、12万6764人(前年度比3・7%増)だったことが9日、文部科学省の学校基本調査速報で分かった。県内小中学生も3年連続で増加し、3751人(中学生3001人、小学生750人)となった。中学生は全国で前年度から約3000人増え10万2940人で、全生徒の35人に1人に当たる2・9%(前年度2・8%)と過去最高の割合になった。
不登校の小学生も前年度比約1000人増の2万3824人となり、全児童に対する割合は0・3%だった。
文科省は「いじめ問題などで、無理に学校に行かなくてもいいという考えが広まっているのかもしれない。家庭を中心に、登校を促す働き掛けを続けたい」としている。
調査は全国の国公私立校を対象に5月1日現在で実施した。
昨年までのいじめ調査が、実態を把握していないとの批判があったため、不登校のきっかけについて、今回の調査から「いじめ」を複数回答の選択肢に設けた結果、4688人(3・2%)が該当した。最も多かったのは「非行など本人にかかわる問題」31・2%、次いで「いじめを除く友人関係の問題」15・6%だった。
不登校が続いている理由では「不安など情緒的混乱」が31・7%で最多。次いで「無気力」24・8%、「いじめ」は1・0%だった。
1000人当たりの不登校の児童生徒数(小数点以下を四捨五入)を都道府県別にみると、島根が16人で最も多く、和歌山と高知が15人。最も少なかったのは8人の愛媛、宮崎で、北海道と秋田の9人が続いた。本県は12人。※
県教委、早期ケアに力
県が9日発表した県学校基本調査結果速報(5月1日現在)によると、「不登校」とされた長期欠席(30日以上欠席)の県内児童、生徒は3751人で3年連続で増加した。小、中学生とも増加に歯止めがかからず、中学生は5年ぶりに3000人を超え、小学生は750人で過去最多。県教委は「深刻な状況」(義務教育課)と受け止め、減少傾向を見せた静岡市などの事例を研究するとともに、スクールカウンセラーを増強するなど対策を強化する。
中学校の長期欠席者数は3640人で、前年度に比べ188人(5・4%)増加した。このうち欠席理由で最も多い不登校は3001人で前年度比141人(4・9%)増えた。01年度のピークからいったん減少したが、04年度に増加に転じた。
小学校の長期欠席者は1486人で、前年度から57人(3・6%)増。欠席理由で最も多い不登校は750人で57人(8・2%)増え、長期欠席が現在の基準になった1991年度以来、最多となった。
県教委は中1での不登校は小学校で遅刻、早退などとして兆候が現れる―と指摘し、「早期発見、早期ケアの事例を広めたい」としている。また友達付き合いを壊さない上手な断り方など、人間関係づくりの技術を教える「ソーシャルスキル教育」を、小3から中2の間の学習指導案に盛り込むことも検討している。
学校基本調査 全国の幼稚園、小中高校、大学、短大などを対象に学校、在学者、教職員の数や進学率、卒業後の進路など教育行政に必要な基本的データをまとめた文部科学省の調査。1948年度から毎年実施している。連続または断続して年間30日以上休んだ長期欠席の児童生徒のうち、病気や経済的な理由ではなく、心理的、社会的要因・背景で登校できない状況を「不登校」と定義している。
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