昨夜は、太郎が通っている定時制高校で、担任との二者面談がありました。
一学期のみ、担任と面談して、成績表を受け取りながら、学校と家庭・仕事の様子を情報交換します。
毎年、五月の終わりか六月の始めに、「育成振興会」の定時制の総会があり、総会のあとに懇談会があるだけで、何事もなければ、年に二回しか担任と向き合って話す機会がありません。
定時制だから、こんなものなのかしら?と思いながらいますが、何事もなく三年生の一学期が終わり、ホッと一安心。
三年生になってから、進路指導が始まったと、今年の六月初めに懇談会で担任から話しがありました。
・生徒と面談した結果、ほとんどの生徒が、就職を希望しています
・進学を考えている生徒もいますが、大学へ進学しても、定時制の生徒は基礎学力が足りずないこと からかなり苦労します。
・専門学校からの生徒募集はあります。
・就職は、定時制には求人がありません。全日制の求人をまわすこともできますが、過去に就職して から全日制との差を感じたと言われたことがあります。
どれも、悲観的なはなしばかり・・。
学校では、「正社員とフリーターの違いを学ぶ」というテーマで生徒に学習させるという計画を、今年度の取りいれています。今年、「育成振興会」の会長に就任したある事業主は、挨拶で「働く意欲を持っている、向上心のある人材を採用したい。」と働きながら学ぶことの大切さを熱弁していましたが、その後、定時制高校の生徒の厳しい現実を突きつけられました。
昨夜の面談の中で、何年かぶりに定時制に求人が二件あったと担任が話しました。
進路指導について、熱く語る担任ですが、就職を前提とした面接方法の話しが主体でしかなく、社会経験をすでにしている定時制の生徒には「働く意欲・姿勢をはっきりと示すことが必要」という内容には、ちょっと違和感を感じました。かなり厳しい現実に、すでに向き合いながら、社会経験を積んできている生徒が、かなりいると思います。
また小中学校で、不登校を経験した生徒が定時制高校には、休まず通っている生徒もいます。
いろいろな経験をしてきた生徒の可能性を認めて引き出すことに対して、何か足りないと感じました。
太郎は四年遅れで入学した高校を卒業後、どうするか悩んでいると担任にはなしたようです。
「早く自分の進路を決められると良いですね」と言われましたが、なかなか自分のやりたいことを本当に見つけることは難しい。このままでいけば、家業を継ぐことが一番安易な選択になることに悩んでいる様子も見えます。
私は、遅れたスタート分の猶予を持って、もう少しの間心の傷を回復させる期間に当てながら、太郎がやりたいことを見つけてほしいと考えていることを伝えました。