長野県在住の犬飼洋子さんが、ご主人の「過労死」の労災認定を求めていた裁判の東京高裁判決が、22日にありました。
結果は、「過労死」を認めなかった長野地裁判決を取り消し、
「度重なる海外出張という過重な精神的、身体的負荷で疲労が蓄積したことで、くも膜下出血を発症したとみるのが相当」と判断し、死亡と業務との因果関係を認めました。
この事実を長野地裁、東京高裁の裁判官に認めてもらうために、洋子さんは資料を作り、たくさんの人に事実を伝え、過労死認定を求める
「一言メッセージ付き要請ハガキ」を裁判官へ届けてくださいと協力をお願いしました。
私も、この
ブログで協力を呼びかけたり、友人、知人に協力をお願いしたところ、たくさんの方がご協力してくださいました。
洋子さんから、静岡からたくさんのハガキが届いたと聞きました。皆さんのご協力、ありがとうございました。
私達が当たり前と考えることでも、事実を丁寧に説明して、立証していかないと認められないのが裁判です。
「労働時間や仕事量ではなく、海外出張自体の負担の大きさを認めた意義は大きい」という、画期的な判決となりました。
23日の中日新聞には、洋子さんの喜びの言葉と共に、16歳の娘さんの「母は、苦しい環境にいたが楽になってもらえることが嬉しい」という言葉が掲載されていました。お父さんを亡くされて、娘さんも辛かったはずですが、お母さんを気遣ってきたんですね。
このような理不尽な出来事が家庭に起きても、自分達の気持ちを訴えることもできず、子どもの問題が取り上げられることは、ほとんどありません。
同じことを繰り返さないために、争うことでなくて、事例から学ぶことが大切だと、いつも思います。