再び、いじめが社会問題として大きく報道されています。
浜松市内でも、6月に中学2年生が亡くなった事件で、いじめの調査委員会が立ち上がりました。
繰り返されるいじめ自殺といじめの事実を隠蔽する学校・教育委員会のあり方を見聞きするたびに、怒りと悲しみが体中から湧き出してくるのを感じながら、私にもできることはあるのだろうかと冷静になって考えていました。
昨日、数年ぶりに息子と取材を受けました。
いまのいじめ問題について、どのように感じているかという内容でした。
事件直後から、3年間くらいは加害者や学校に対しては、怒りの感情がほとんどでした。
徐々に怒りの感情だけでなくなったのは、多くの仲間や支援者に出会えたことから、わが家だけに起きた問題ではないこと、2度と同様の事件を繰り返さないでためにできることはなにかと、考えられるようになりました。
事件から12年経って、いま平凡な日常生活をおくれるようになりましたが、やはり事件のことを話すことで、そのときの感情がよみがえり、取材が終わったあと、息子とふたりでぐったりとしてしました。
いま、ブログをあらためて読み直してみて、事件直後から変わらない思い、裁判や活動、人の出会いの中で気づいて変わったことなどが書いてありました。
取材を受けて、放置状態だったこのブログが、少しでもいじめ問題について参考になることがあるのではないかと考えました。多くの専門家の方が、それぞれの立場でいじめ問題の解決に向けて発言し、取り組んでいらっしゃいます。
私は、当事者の視点で、時間の経過の中で変わったきた気持ちなども伝えることができたらと思います。
今回取材で取り上げられたのは、裁判における浜松市との和解協議のこと。
私たちが取り交わした和解については、
2006年10月26日の記事に書きました。
今回、各地で調査委員会が立ち上がったのは、平成23年6月の児童生徒の自殺が起きたときの背景調査の在り方について
(通知)
によるものと思われます。
どのように、調査がおこなわれていくの不透明な部分がありますが、わが家の和解に盛り込んだ事実確認と検証を、しっかり、丁寧にとやってほしいと願います。加害者がいじめのつもりはなかった、教師がいじめを「喧嘩」や「いじめではない」という理由と、被害者や周囲の子ども達が「いじめられていた」という事実を、どうしてそのような見識の違いが起きるのか、いじめの事実が曖昧にされないために、検証されるべきと考えます。
(3)事実確認の徹底・記録
事実確認できたものについては文書として報告する。
事実確認が不十分なものについては、誤解を招くことのないように慎重に対処する。 事実確認については、被害者生徒,加害者生徒、関係する生徒から個別に聞き取ったことを正確に記録し、それらを照らし合わせてきちんと事実確認を行ったうえで、「一つの記録」にまとめる。