皆さん、太郎と私の話を、真剣に聴いてくださいました。
学習会のトップバッターで、しかも私たち以外の講師の方は、専門家ばかりなので太郎とふたりでかなり緊張していました。
私たちの次に講演されたのは、教育ジャーナリスト・青木悦さんでした。
私は青木さんに、一度お会いしたい、講演を聴きたいと思っていました。
ところが、青木さんが講演の中で、「太郎さんの話を、聴くために時間を合わせてきました」と話されたので、驚きました。青木さんが軍人であった父親からの暴力を受けて育ったこと、そのことを
「泣いてもいいんだよ」の著書の中に書かれたときのことを聴きました。
自分が、虐待されたと意識できたのは50歳から、本に書くときは血が出る程苦しい思いをして書いたそうです。暴力によって、自分を否定される気持ち、苦しさや辛さを太郎の体験と重ねて話されていました。本を書いて良かったと思うことは、同じ体験をした人達から励まされたこと、同じ思いで過ごしていた人達が、自分が悪いのではないと気づくことができたことと、話しされていました。
青木さんは、ご自分で子ども達や学校現場の取材をされている中で、多くのいじめの現状を見ています。見えにくいいじめの体質、現状も子ども達と接する中で、子ども達に本音で向き合い、しっかりと捉えています。
仲良し、親友と言う子が「友達の悪口は言えないから、その子が自分で気づくように無視をする」のが友情という子がいて、いじめられている子は、大人には「大丈夫」と言う、理解しにくい現実。
みんな一緒、仲良くという大人の、学校の教師が求める理想の子ども像の中で、子ども達は友人関係で一番疲れているということを聴きました。
ご自分の子育ての失敗談を取り入れながらのお話しは、「子どもは、いろんな大人に関わることで育てられる。子どもによって育てられる社会」という言葉で、締めくくられました。
太郎の経験をご自分の経験と重ね合わせて話されるとき、私は当時のことを思い出して、また母親である私への理解ある言葉もいただいて、何度も涙ぐんでしまいました。私も、大きな励ましをいただきました。
青木さんは講演が終わってから、すぐに私たちのところへきくださいました。そして、そのあとすぐに次の仕事に向かわれました。
太郎の話を聴いてくださった方達に、たくさんの励ましをいただくことができ、この機会をいただいたことに感謝でいっぱいの気持ちです。
実行委員の方から、突然このブロクを紹介されて、ちょっとハズカシイような・・気持ちです。
*いじめ自殺をした
前島優作くんの書いたポスター「差別はいかん」
差別=いじめと優作君の気持ちをお父さんが置き換えたポスター