昨日の深夜、また社会を震撼させる
少年事件が起きました。
少年は事件の前に、学校に行かないことを父親にとがめられたこと、家庭内暴力があったことがわかりました。両親は、少年の不登校と家庭内暴力に悩んでいた様子も、新聞記事に書かれていました。
少年は、「父親への恨みから火をつけた」と言っていますが、直接の事件のきっかけは、そうかもしれないけれど、その事件の背景には少年の不登校と家庭内暴力が関連しているのではないかと思いました。
不登校、家庭内暴力に至った問題の背景を、少年と家族だけの問題にしてはいけないと思います。
子ども達のやりばのない怒りや感情は、程度の差はあるとしても、暴言や暴力が家族に向けられるケースは、少なくはありません。家庭内に向けられない場合は、家庭の外でのいじめや暴力へと形が変わるだけです。
「板橋両親殺害事件の犯罪心理学~親殺しの心理~」というサイトの中に、こんな記述を見つけました。
親子関係が希薄だから?
親子関係が希薄だから、こんな犯罪がおきたのか。たしかに、少年は両親の愛を実感できていなかったのでしょう。その意味では、関係が希薄です。
しかし、関係が薄いだけでは殺人は起きないでしょうか。愛を実感できないのと同時に、少年は心の底では、強烈に愛を求めていたでしょう。
むしろ、ある意味濃すぎる親子関係の中で、少年は父親に馬鹿にされ軽蔑されることが許せず、しかし、親から離れて自立していくこともできず、殺害を選んでしまったのかもしれません。
両親はどうして良いのかわからないことが、たくさんあったと思います。
子どもにトラブルが起きたときの対処法を、ほとんどの親はあまり知りません。
私たちの経験からも、家庭だけの問題とされてしまった時、親も子どもも悪い方向へどんどん追いつめられていくようでした。
このような事件が繰り返されないために、事件から私たちが知ることや学ぶことができるようになる正確な情報伝達や考えることができる機会が増えていくことが必要なのではないかと思います。
こういう事件が繰り返されるたびに、とても胸が痛みます。