再会

横浜の裁判所で、いじめで「PTSD」になったSさんのお母さんと、3年ぶりに再会しました。

Sさんとお母さんに初めて会ったのは、Sさんが中学3年生のときでした。
Sさんは、小学生からソフトボールが大好きで、中学の部活動で試合で活躍できる選手になることを目標に、期待に胸を膨らませて入部しました。
入部してまもなく、Sさんが1年生でレギュラー選手に選ばれた直後から、Sさんに対するいじめが始まりました。

カミソリの刃が入った手紙が送られてくる、練習中に無視されるなどのいじめがありましたが、Sさんは大好きなソフトボールを続けました。
すると次は、親友のMさんとSさんを仲たがいさせようと、MさんとSさんにそれぞれ脅迫の手紙が届くようになりました。定規を使ってカタカナで書いた字で書いた手紙が、Sさんに送られてきました。
手紙には、「ホント→ムカツク Mって最近ちょうしのりすぎ ピッチャーやってるからってバカ」
と書かれていました。

それでも、部活を続けていたSさんのかばんの中に、Sさんが尊敬する先輩から譲りうけた宝物のソフトボールが、カッターナイフを11本突き刺された状態で入れられていました。
Sさんは、この出来事の後、過呼吸発作と過食と拒食を繰り返すようになり、「PTSD」と診断されて入退院を繰り返していました。

中学3年生のSさんは、ソフトボールの強豪校への進学を希望していましたが、欠席が多いため志望校への進学は難しいと話していました。

今年、Sさんは不登校生徒を多く受け入れていた高校を卒業したことを、お母さんから聞きました。
Sさんは、看護師になるために看護大学への入学を目指しているそうです。

3年前を振り返ると、心の傷は変わらないものの、体の成長に合わせて心も成長して、心の傷と上手に付き合っていくことができているそうです。

「まだまだ心の状態が発達段階にあった中学生の時に起きた衝撃的な出来事は、いまの子どもを見ていると、本当に心を深く傷つける行為だったということが言えるよね。中学生でなかったら、もっと成長したあとだったら、傷の深さもわずかでも浅くなったのではないかと思ってしまう」と、当時のことをおもいだしてSさんのお母さんと話をしました。


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