地域で起こる出来事

同じ地域で生活している太郎を傷つけた少年達とその家族。
ここは、先祖代々ここで暮らしている人たちが、断然多い地域。

私たちは、10年程前に会社と住居を移して引っ越してきました。

同じ町内、隣町,半径500m以内に半数以上の少年達が暮らしています。
当然、日常生活の中で、近所付き合いの中で、町内の行事などで、顔を合わせることがあります。

私たちが知らないうちに、「子ども同士の喧嘩に親が騒いでいる」という噂が広がり、会社とマンションの大家さんに苦情が持ち込まれたり、知らない人に睨まれたりすることが重なり、うつむき加減で歩く癖がついてしまい、今でも近所ではなるべく人と視線が合わないようにとついつい思ってしまいながら過ごしています。

少年達がマンションの前の道路を行き来するたびに、太郎は恐怖を感じ、何事もなかったかのように生活している少年と家族を見かけると、怒りと同時に打ちのめされるていくように思う時期もありました。

昨夕は、近所のスーパーで主犯の少年の母親と出くわしました。
視線を感じて、その方向を見ると母親と目が合いました。何度か、こういうことはありますが、睨まれて通り過ぎて行きます。一度も挨拶をされたこともありませんし、申し訳ないという態度を示されたこともありません。
それでも、「反省している。謝罪したい」と裁判の書面の中では言っています。

少年達は成長し、容姿が変わって、すれ違ってもわからなくなっています。
数人の少年が証人尋問の際、「本屋で太郎君のお父さんに、30分以上も隣に立たれて、恐怖を感じた」と言いました。
19歳になった少年達は、よく見なければわからないほど変わっていましたので、事実としても夫が気づくことはなかったでしょう。弁護士が「太郎君に謝りたいと思っていたのなら、お父さんに声をかければ良かったのではないかしら?」と言うと、少年は沈黙しました。

また、私たちが知っている少年達の親の顔は、半数位です。
先月は、夫が買い物していたら、スーパーの中で二人の中年女性にしばらく付きまとわれたので、途中で振り返り「事件に関係している方ですか?」と聞くと、逃げるように去っていったそうです。
私の顔を見て、知らない人がこそこそと話をしたり、指をさす人もいます。

噂だけが広がり、興味本位に物事を見る人たちから、次々と信じられない言葉を浴びせさせられます。

子どもが不登校で、ひきこもりになった子どもがいる母親は、スーパーで買い物していると
「自分の子は、学校にも行かせないでひきこもりをさせているくせに、自分は買い物でかけているのね」と言われたと、泣いていました。

いじめ自殺で子どもを亡くした親は、数年経って外食していたら
「あの人自分の子どもが死んだのに、○○食べている!」
と、店内で大声で言われたと驚いました。

子どもを殺された遺族は、最初はよき理解者だった隣人が、時間が経つに連れて変わって行き、いまではいつも迷惑を被っている、ニュースなどで取り上げられるたびに「いい気になってんじゃないわよ。いつまでも、引きずってるんじゃないわよ」と、言われています。

買い物や外出、犬の散歩、兄弟がいれば学校の行事参加など、何気ない日常の生活にも支障をきたし、被害を受けた人たちが地域で暮らしにくくなるのが社会の現状です。

それでも私は、少しずつ顔を上げて歩けるようになって(歩くように心がけて)いますが、昨日の出来事がまた私の心をずーんと重くしました。

そんな地域の中で、大きな心の支えになっているのは、ある日バス停で声をかけてきた同じ町内に住んでいるという女性の励ましがあったからです。
「うちの息子は、中学のときにいじめに遭って、30歳になっても引きこもっているけど、あなたの活動を知り励まされている。頑張ってね」と、肩を叩いてくださいました。

名前も告げずに、そう言って通り過ぎていった女性の家庭のことを、未だに私は話しに聞いたことはありません。

被害を受けた人たちが、地域で潜むように暮らしていくことがなくなるように、地域の人たちの理解が必要です。噂に惑わされることなく、周囲の非難には絶対に加担しないでください。

いつもどおり、変わらずに接してもらうことだけで、心は救われます。


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