いじめられっこ、いじめっこという表現について

今読んでいる本、「いじめ問題の発生・展開と今後の課題ー25年を総括する」の中に、興味深い表現を見つけた。

著者の今津孝次郎氏(名古屋大学大学院教授)は、イギリスでのいじめ研究から、英語で「いじめる側ーbully-、いじめられる側ーvictim problems-」という表現を元に、日本語表現を「いじめ加害者・いじめ被害者」と変更すべきとしている。
「日本語のように、当事者たちを傍観者的に眺めて天秤かけ、どちらも悪いという発想ではなく、あくまでも加害者が悪いという価値観を踏まえた表現である。「いじめ加害者・いじめ被害者」と変更することは、いじめを人権問題ととらえる一歩である」と記されている。

「いじめ加害者・いじめ被害者」という表現は、いままでも私たちの中で何度も使われてきたし、表現をどうするか検討もされてきた。
いじめは、社会問題とされながら、子どもの喧嘩やもめごとのように扱われているのが現状ですが、暴力、恐喝、持ち物の破損、脅迫、強要など、大人なら立派な犯罪行為になる。
今津孝次郎氏は、被害者の深刻な被害と、日本ではほとんど放置されている加害者が問題を起こす背景についても取り上げている。

いじめいう表現が曖昧なままで、「いじめ加害者・いじめ被害者」という表現は、なかなか受け入れられないかもしれないけれど、いじめを社会問題として、きちんととらえていくには、必要なのかもしれないと思いました。

☆本の紹介☆
「いじめ問題の発生・展開と今後の課題ー25年を総括する」今津孝次郎著 黎明書房 2300円+税


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