いじめられた子の対応を焦ってしまい、解決したと言って第3者の介入を拒んでいた先生が、話し合いを受け入れてくれたという報告を聞きました。うん・・とりあえず良かった、良かった。
いじめられた子の被害を知り、いじめている子のいじめの背景にある問題に気づいた周囲の人たちが、両方の子どもを救いたいと考えて動き出したケース。話しを聞いた私も、第3者が関わることを警戒した先生に、どうしたら関わり持ってもらえるかを考えていました。
いじめが学校で起きた場合、学校の責任として挙げられるのは「安全配慮義務違反」。
いじめによる被害を、防ぐことができたのではないかという点にあります。学校内のいじめの有無、いじめた子に問題はなかったか、いじめを見つけて対処していたか、子ども達が安心して安全に過ごすことができる学校であったかどうかということが責任として問われていくことになります。そうなると、学校は「いじめはなかった、気づかなかった」ということにしなければならくなります。
名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授の今津 孝次郎著書の
いじめ問題の発生・展開と今後の課題―25年を総括する の中で、今津氏は25年のいじめ、いじめ自殺のケースを検討した上で、学校が問われるべき責任を明確にしながらも、学校の一番大事な責任は、いじめが起きたときの問題解決に取り組むことと書かれています。家庭と地域に情報を開示して連携し、しっかりといじめ問題解決に取り組み、次のいじめの防止と対策に繋げること、学校が「安全配慮義務違反」に問われることよりも重要なこととしています。
今回のケースも、「先生を責めるつもりはなく、一緒に考えて行きたい」と伝えたところ、先生の態度が変わったそうです。子ども達の問題を解決したいという思いは同じであるはずなのに、いままでは多くのケースが食い違ってしまったままでした。
何度もこのブログに書いてきたことですが、まずは話し合うことからはじめていくことが必要だと思います。