「心の傷」という言葉を良く使いますが、実際はわかりにくいものです。
今週は、「いじめを受ける子どもの心の傷」について、専門家の医師の講演を更新していきます。
「静岡いじめを考える会」の発足のきっかけとなった集会で行われた、独立行政法人国立病院機構天竜病院(当時国立天竜病院)白川美也子先生の講演です。(2000年10月に浜松市南部公民館にて)
第1章 トラウマって何?
第2章 いじめは「トラウマ」になるか?
第3章 子どものトラウマの特徴
第4章 いじめを原因に起きる精神科的な問題
第5章 暴力の再生産
第6章 どうやったら、いじめはなくなるだろうか?
第7章 私達にできることはあるのだろうか?
毎日、1章ずつ更新していきます。
第1章 トラウマって何?
1.心のトラウマについて
いじめや犯罪に巻き込まれ受けた心の傷は、なかなか回復しない。人間の心は、いろいろなストレスを受けながらも、心の傷を自然治癒する能力が備わっているが、その回復が起きない激しい心の傷をトラウマという。
トラウマによってできた傷を、「外傷性記憶」と呼ぶ。
2.外傷性記憶の特徴
◇無時間性・想起に苦痛な情緒を伴う・鮮明で生々しい・ことばになりにくい◇
被害者に気持ちを聞くと「ことばにならない」と答える一方で、被害を受けた時の記憶をVTRに撮ったかのよう鮮明に思い出す。暴力の時は、暴力を受けているときの記憶を、いじめを受けている自分の周りから、「さーっ」と人が去っていく感覚などが鮮明に蘇る。被害を受けたときの状況・苦痛・哀しみなどの記憶が全て、冷凍保存されてしまうような状態。
3.PTSD:Posttraumatic sterss disorder(心的外傷後ストレス障害)
外傷性記憶を作ってしまうと、PTSDになりやすい。トラウマの典型的な症状が、PTSDである。
◇PTSDの3つの主症状◇
1.再体験症状・・・苦痛を伴うフラッシュバック・侵入症状が何度も起きること
いじめられた場所や学校に行かなくても、いじめの場合は制服姿の学生を見ただけで、フラッシュ バックが起きてしまうことがある。
きっかけがなくても、ぼーっとしているときに、その時の記憶が「フッ」と何度も入ってくる。(浸入症 状)夕方から夜にかけて多くみられる。
☆フラッシュバックとは☆
強い不安や恐怖を感じた重大な場面がよみがえり、今まさに再び同じ体験が起こっているかのように感じること
2.回避・麻痺症状・・・再体験症状が繰り返される苦痛により、きっかけとなるものを避けようとする
自分の辛い感情を断ち切ろうとすると同時に、通常の感情(嬉しい・きれい・暑い・寒いなど)も一緒 に断ち切ってしまう。心が麻痺した状態。
ひどいいじめを受けていても、周りから見ていると、辛そうではない、笑っていることもある。
3.過覚醒症状・・・極度の緊張が持続している状態
びくびく・不安・恐怖・不眠・いらいら・怒りの噴出など
いらいら・怒りの噴出は、家族に暴力を振るうようになることもある
襲われるかもしれない、いじめられるかもしれない、殺されるかもしれないという緊張感が、24時 間続いてる状態。
この3つの症状が伴わないと、「PTSD」とは診断されませんが、「外傷性記憶」による心の病気は「PTSD」だけではありません。他の人が見て、いじめがひどいかひどくないかを判断するものでなくて、いじめを受けた子どもが強い恐怖、苦痛を感じれば、それは「外傷性記憶」になります。
私も大切な友達がPTSDで苦しんでいたことがあります。
っていうか、未だにそうなのかな?
経験したことの無いことを理解しろと言うのは、大変難しいことで、彼女も元気なだけに
『もう大丈夫だよね~』と言われたりすることもしばしば。
が、決して傷は癒えてはいません。
私のような経験の無い者・知識の無い者には、真に理解できなくて辛いですが、共感することや思いやることで少しはカバーできるのかな?と都合よく思ってはいます。
っていうか、それしか出来ないですから・・・。
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私も 変なTBがあっても気が付かずにいました。
魔女っこさんに教えていただきました。
コーシさん
私は近くにいる息子のことでも、理解できないことはたくさんあります。親だからわかるとか理解しなくてはいけないと思っていた頃もありましたが、やはり本人しかわからないものだと気づきました。
だから、まず共感してあげることが大事かなと思っています。
思いやる心って、どんなことにも必要ですよね。
matutakuさん
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